漫画「東京タラレバ娘」と「地獄のガールフレンド」が面白い
少女マンガが好きですが、最近の傾向として独身の30代に手厳しいマンガが増えているように思います。
ドラマ化した東村アキコ著「東京タラレバ娘」はコミカルさが前面に押し出されていたので面白く笑って読んでいたのですが、心に刺さる言葉がちりばめてありました。
もともと雑誌で読んでいたのですが、Key君が放った「30代は自分で立ち上がれ」というセリフで、コミックス買おうと決意しました。
「こけたら自分で立ちますよ。いい大人なんで!」という気持ちと
「女だてらに一人で仕事を頑張っているのだから、手くらい貸してくれても良いんじゃない?そんな甘えも許されないのですか?」
という気持ちが入り乱れたのです。
「可愛いだなんて思われなくても結構だけど、オバサンではないよね?」という気持ちに、さらにメスを入れたのが鳥飼茜著の「地獄のガールフレンド」です。
鳥飼さんの作品は女であるという業のようなものが描かれていて、どろっと薄暗いさがある作品です。
前作の「先生の白い嘘」は、いたたまれない痛みを伴った作品があったので、「地獄~」も同じトーンなのかもしれないと戦々恐々として読み始めました。
意外と読みやすいなという印象です。
31歳になってシングルマザーになった女性、28歳の不倫に疲れた女性、36歳のゴミ屋敷に住んでいた女性の三人がシェアハウスで生活する話す。
三人がおしゃべりをする内容に共感したり、一緒になって怒ったり、言語化してもらってスッキリしたりします。
もちろん、いたたまれなくなる言葉やシチュエーションもたくさん飛び出してきます。
東京タラレバ娘で手厳しいことを言うのはKey君でしたが、地獄のガールフレンドでは鹿谷という若い男性がそのポジションにいます。
今対比していると、主役の三人の女性と厳しいことを言う若いイケメンの男性という構図が共通しています。
鹿谷は「かわいがられたいと思う時点で無理」と言ってのけます。
「女はいつまでも可愛い存在じゃないの?」という気持ちと
「そんなの思ってねーわ」という気持ちが入り乱れて、頭がいっぱいになります。
共通して言えるのは、年下の男子から言われることで、頭では分かっていても、実は心は納得していなかったのだなと気付きます。
両作品とも面白いです。吸引力があるけれど、それゆえに心に刺さります。
この切なさは、10代20代の小娘には分かるまいと思っています。